ホーム > President Blog : Sophia Cradle Incorporated

President Blog : Sophia Cradle Incorporated

President Blog

2007 年 01 月 24 日 : Google 時代の企業戦略

この日曜日、『“グーグル革命”の衝撃』という NHK の番組を観ていた。

"Google" について NHK が番組を放映するということは、これからの時代の変革を意味するものと個人的に捉えた。

番組では、SEO (検索エンジン最適化) が大きなテーマとして取り上げられていた。

それによると、ビジネスで重要なキーワードで 15 位以内になければ、インターネットの世界では存在しないに等しいとのこと。できれば 5 位以内に位置することが肝要と専門家が発言していた。

会社員として働いていた時は、いわゆる営業活動でお客様を訪問することも多かった。

けれども、会社を創業してから営業活動をしなくなって何年になるだろうか。

それはある意味で、オンラインゲームをしている感覚に等しいかもしれない。

インターネットの時代へとシフトすると共に、グーグル革命の番組のとおり、世界レベルでの圧倒的なポジションを獲得できることが、生き残りの最大条件であるような気がする。

ソフトウェアのような情報産業では、情報というものはネット上を高速で世界中を縦横無尽に駆け巡るので、検索エンジンで 1 の位置にあることが重要である。

SEO はテクニックによって誰にでも再現できるものである。

それ故に言えるのは、SEO だけで築いた検索エンジンにおける位置は脆いだろう。本業とは無縁の競争相手との不毛な SEO 対策に明け暮れることになりかねない。

そこで問題意識を持つべきなのは、どうすれば自然に検索エンジンにおける 1 の位置に付けるかということではないだろうか。

弊社では、BREW アプリを C++ というプログラミング言語で開発するためのプラットフォームと、携帯 Java アプリを圧縮するツールを開発している。

「BREW」と「C++」、或いは「携帯 Java」と「圧縮」というキーワードを入力すれば、最初に表示されるのは弊社のサイトである。更にほかのページも多くは弊社の製品を紹介するものである。

SEO 対策の業者に依頼したのではないけれど常にその位置にある。

それは、単に弊社と同じようなビジネスを展開している会社が存在しないだけだからである。

成し遂げるために必要なのは、事業にすべてを賭ける決断力かもしれない。

2007 年 01 月 18 日 : ソフトウェアという名の商品

ソフトウェアは、質量も重量もゼロ。

カタチすら無い。

高度情報化社会ではこんな商品が多い。

どうすれば、はっきりと実体が見えないモノの価値を的確にプレゼンテーションできるのだろう?

世の中には、オークションで高値で売買される名画のように、如何様にでも高く値付けされるものもある。

逆も然り。むしろブロードバンドネットの普及によって情報は氾濫し、その価値はいっそう逓減するようだ。

情報は、一生を費やしても遥かに接しきれないほどネットの向こう側にある。

そんな状況だから、ソフトウェアをネットだけで販売する難しさを痛感する。同時に、これほどまでに遣り甲斐のある仕事も少ないのではないかと思っている。

創ったソフトウェアが売れなければ、事業の継続は叶わない。

何故、お客様は僕たちのソフトウェアを購入されたのか。そしてその理由はずっと変わらないものなのか。変革が現れるとすると何を契機にしてそれは発生しうるのか。

シミュレーションしてアクションし、フィードバックから更なるシミュレーション …。

サイクルを何度も何度も繰り返す。

カタチの見えぬソフトウェア事業はそんな風にして進化発展を遂げるのかもしれない。

2007 年 01 月 17 日 : Global recruiting

大企業の採用枠拡大、若者の安定志向や少子化でベンチャー企業では有能な人材の採用が難しくなってきているという。

オリジナルブランドのソフトウェアを製造し販売する業態だからなのかもしれないが、疑問に感じることが一つある。

それは、ベンチャー企業の仕事というのは、大企業と比べて難易度が高いのではないかということだ。あるいは、異なる能力が要求されるのかもしれない。

普通に考えても、大企業で通用しない人材はベンチャー企業でも大苦戦するだろうし、寧ろベンチャー企業は、大企業で働く社員を遥かに凌駕する人材にジョインしてもらうことが何よりも重要だと考える。

勿論そんな人材は稀有な存在であり、自然と少数で会社を運営せざるを得ない。

しかし、人材を募集をするエリアを、日本に限らず世界全体に拡大すれば、何倍もの確率で素晴らしい才能に巡り会える。

2007年のテーマは、"Globalization"。

海外にマーケティングするだけでなく、人材も広く海外から募りたい。  

2007 年 01 月 17 日 : 量りしれない価値

モノやサービスを創って販売する、というのがベンチャービジネスの基本だと思うのだけど、この基本を学べる場は意外と少ない。

あるいは、このことをあまり重要と思わないだけかもしれない。

ベンチャーのモノやサービスには、独自性というものが要求される。

そういう創造力を養う教育はどれくらいなされているのだろう。

販売というものは商学部で学べるのだろうか。

自らモノ、サービスを創って販売した経験のある教授はどれくらいいらっしゃるのだろう。

社会にひとりで放り出された場合、モノやサービスを創って販売するというスキルが真っ先に要求される。

生まれながらにして才能に恵まれている人も確かにいるけれど、経験によって学ぶことも可能であり、そういうスキルは人生を切り拓くための大きな推進力になると思う。

ある意味では、学位こそ授与されないものの、その価値は大学で学ぶ専門知識以上に有益に思えることもあるかもしれない。

その価値は何かと問われれば、誰の思惑によらないで、100 % 自分の思うままに未来へ前進できることと言えるだろう。

ベンチャーで働く最大のメリットである。

2007 年 01 月 11 日 : インターネット・コミュニケーション

京都のビジネス街と言えば、四条烏丸あたりだろうか。

ここから 3 キロしか離れていないのだが、河原町界隈には食事のためによく出掛けるけれどビジネスで立ち寄ることは滅多にない。

でもビジネスでは北米、南米、中国、ヨーロッパ、インドなど世界中のお客様とのコミュニケーションは、日を追うごとに加速感がある。

なんとなくパラドックスのような気がしなくもない。けれども想像も及ばない新しい世界がそこにある、と確信している。

いまや半分くらいは海外の国籍を有するスタッフで構成されるようになってきた。

2〜3年後には、大半のスタッフは日本人以外であるような、インターナショナルな企業になるんじゃないかと予測している。

さまざまな人たちとアイデアをスパイラルさせて、かつて誰も見ることが無かった夢のある未来を創るのが目標でもある。

2006 年 12 月 29 日 : 世界への展望 2007

今年の仕事は終えたので久々に投稿してみる。

矛盾するかもしれないけれど、今年も2回の講演会以外は外出せずに、社内でグローバルマーケティングについてネットで試行錯誤していた。

英語のサイトも少しはまともになってきたような気がする。

ベンチャーといえば、営業力に命運が掛かっているといっても過言ではない。

けれどもインターネットがブロードバンド化し、ユビキタスというほんの一握りの人しか知らなかったキーワードが日経新聞にも登場する昨今である。

それは様々な意味での『変革』を示唆する兆しではないかと思い、ベンチャービジネスのニッチを見出そうとしている。

典型的な例は Google であろう。

「Google の営業マンって想像できますか?」

その答えに21世紀型ビジネスモデルのヒントが隠されていそうだ。

外出しなくてもグローバルにビジネスを展開できる企業。

十数名のベンチャーでありながら、ヨーロッパや北米、シリコンバレー、中国 ・・・世界の拠点にバーチャルなスタッフのネットワークを持つ企業。

それが新しい企業という気がする。

アルファベットの文字で刻まれたメッセージは社内のネットワークを駆け巡る。

PS:

もし宇宙を俯瞰できるとすれば、京都から東京へ、京都からシリコンバレーへの距離は無きに等しい。けれども宇宙のスケールと比べると、あまりにも儚いが故に却って距離感を感じてしまう。

時空を超えて宇宙を眺めるには…というのが僕の永遠のテーマでもある。

2006 年 09 月 14 日 : Mobile2.0

巷では「Mobile2.0」なるキーワードが聞かれるようになった。

Web そのものをプラットフォームとしてアプリケーションを利用する様式 「Web2.0」にあやかって名付けられたものと想像に難くない。

Web2.0 的なアプリケーションでは、インターネット上に分散する情報を統合的に扱えるようにするため、Google にしても、Amazon.com にしても、その情報は XML という世界標準のデータ記述言語で表現される。

標準的な枠内に収まっているからこそ、異なるコンピューターに宿る多種多様なデータを、時空を超えて自由自在に扱えることが現実のものとなるのだけれど、それでは携帯電話で「Mobile2.0」を真の理想のものとして具現化するには何が必要になるのだろうか?

そんな問題意識のもとに、数年前からインターネット上で XML を扱える携帯ソフト技術を根気強く研究して実際に開発してきた。

先月、世界で初めて、携帯電話からインターネットサーバーの XML で表現された Web サービスにアクセスできるソフトを出荷することができた。

以下のようにプログラミングするだけで、世界のネット空間に散らばっている、様々な Web サービスにアクセスできる携帯電話向けアプリケーションが簡単に開発できるのだ。

詳細は、SophiaFramework XML for BREW をご覧になってください。

// クラス変数

SFXSOAPServiceProxy _wsdl;

// サーバからの返答を受け取るための通知コールバックメソッドを設定

_wsdl.SetNotifyHandler(OnResultSHP, this);

// Web サービス記述言語 WSDL を設定

if (_wsdl.SetWSDLDocument("weatherbycity2.xml") == SFERR_NO_ERROR) {

    // Web サービスの名前を設定

    _wsdl.SetServiveName("WeatherByCity");

    // Web サービスのポート名を設定

    _wsdl.SetPortName("WeatherByCitySoap");

    // 呼び出す Web サービスとその機能 (メソッド) を指定

    _wsdl.SetMethodName("GetWeatherByCity");

    // 指定されたパラメータの値を設定
    //
    // Web サービスのユーザプロパティを設定

    _wsdl.SetParameterValue("UserID", 
                SFXBuffer(SFXAnsiString("[email protected]")));
    _wsdl.SetParameterValue("Password", 
                SFXBuffer(SFXAnsiString("*******")));

    // Web サービスのパラメータを設定

    _wsdl.SetParameterValue("CityName", 
                SFXBuffer(SFXAnsiString("Washington")));
    _wsdl.SetParameterValue("StateAbbreviationORCountryName", 
                SFXBuffer(SFXAnsiString("PA")));

    // Web サービスを呼び出す

    _wsdl.Invoke();
}

2006 年 07 月 13 日 : 講演予定、「ソフィア・クレイドルのソフトウェアビジネス」

2006年7月20日、「情報家電ビジネスパートナーズ、オープニングフォーラム」にて講演いたします。

講演の主な内容は以下の通りです。

1. ソフィア・クレイドルについて

2. 携帯ソフトのプラットフォームビジネス

3. ソフィア・クレイドル製品の思想と展望

4. Web マーケティング戦略

5. ビジネスパートナーとの協業

携帯電話向けソリューション事業を展開される皆様のご参加をお待ちしています。

2006 年 06 月 29 日 : 検索エンジンにおける人と時間と空間の軸

ソフィア・クレイドルが関わっているビジネスで、最も重要なキーワードの一つが ” BREW ” である。

” BREW ” をキーにして Google で検索してみると、タイミングによって変動するけれども、約 37,700,000 件中 の 6 番目と 7 番目の位置にソフィア・クレイドルのページがある。

最初から、このポジションにあったわけではなくて、Web 制作のとき、コンテンツの質と量において様々な創意工夫が功を奏しての結果なのだろう。

最近、” BREW ” をキーにしてた Google での検索結果の 1 ページ目を何度も何度も眺めていて、あることに気が付いた。

それは 1 ページ目に表示される、Web サイトの顔ぶれに変動がほとんどないという現象である。

逆に言えば、実は 2 ページ目以降に控えた、膨大な Web ページの中に、検索エンジンを使う人が真に探し求めるものが隠されているのではないかという考え方もできる。

Google の検索結果を見ていると、何年間も何のアップデートもなく、もはや情報価値が消失してしまったといえるようなページが 1 番目に表示されている例も珍しくない。

いま、BLOG で情報発信する人が急激に増え、インターネットにある情報は玉石混交であり、一体どの情報が自分が必要とするものなのかが難しくなってきているのではないだろうか。

検索した結果、たまたま上位に表示されている情報を読んだだけで、すべてを分かったつもりになっているかもしれない。本当は、その後に表示されている情報の方がもっと価値があるのにもかかわらず ・・・ 。

実際のところ、これだけネット上に情報が氾濫している状態では、検索エンジンにしても情報発信にしても、新たなアプローチを組み込む必要性が高くなってきている。

携帯電話はフルブラウザや GPS などが標準で搭載されたりして、今後ますますネット端末としての地位を高めて行きそうだ。

元々、携帯電話はパーソナルなもので、家庭や職場で共有して使うものではない。誰がどうしたというのを特定できるツールでもある。

その携帯電話に GPS が標準で搭載されれば、特定の人物が何処でいつ何を情報発信したかという属性を情報に持たせることは可能である。

情報に時刻と場所と発信者という属性を自動的に持たせて、検索エンジンも単なる「キーワード」だけの検索機能をそういった軸にひろげてゆくことで、氾濫する情報の波をある程度まではうまくコントロールできるかもしれない。

そして、膨大なデータの山に埋れていた、ダイヤモンドの原石といえるような希少価値のある情報を組み合わせることで、新たなる価値のある情報が生成されるかもしれない。

指数関数的に増殖し続けるネット情報をいかにコントロールするかで、次世代の検索エンジンは自然淘汰されるし、Google を遥かに超えるものが誕生する余地も充分あるに違いない。

2006 年 06 月 23 日 : Predict the future

矛盾するように思えるかもしれないけれど、実は 1 〜 2 年先よりも 50 年後、100年後といった遠い未来の方がイメージしやすい。

1 〜 2 年先が読み難いとはいっても、これはベンチャーに限っての話で、大企業の場合は寧ろ遠い未来が見えないというのが真実なのだろうか。

昔、大企業に所属していた頃は、来年、再来年 ・・・ の自分はだいたい見通せた。

ベンチャーを創めた当初もそんな雰囲気でいたけど、良きに付け悪しきに付け 1 年前の予想と実際は大きく食い違っているのが実態とも言える。

けれども、何十年先とかいった長きに渡る未来の領域を展望するならば、その枠内に収まっているから実際のところ不思議ではある。

50 年先の未来はどのように想い描けば良いのだろうか、と思われるかもしれない。

以前の日記にも記したが、僕のイメージの仕方というのは 50 年先の未来は 50 年前の過去に遡って発想するという類のものだ。

そんなイメージトレーニングで確かだと分かってきたのは、これからの未来で重要な事柄は、間違いなく下記の 3 点に集約されるということだ。

  1. デザイン
  2. オリジナリティ
  3. ワールドワイド

言うまでもないことかもしれないけれど、昔と比べて人々の装いはファッショナブルであるし、建物もなんとなく洒落たものが増えてきている。

また、他人と違うことが称賛される時代になってきた。日本人の活動も、プロフェッショナルなスポーツに限らず、様々な分野で世界的に顕著な成果が毎日のように生まれている。

けれども世の中をよく観察してみると、デザインされてないものは多いし人の物真似する人も後を立たない。世界に向けて情報発信する人も少数派だ。

そんな状況を踏まえて考えるならば、デザイン、オリジナリティ、ワールドワイドといった 3 軸で繰り広げられる未来の空間は依然として未開拓のままであり、僕たちベンチャー企業が入り込める余地は無尽蔵にあることを意味する。

ベンチャーはニッチを目指すのが常道とされるけれど、顕在化されているものがニッチであるに過ぎず、それはあたかも氷山の一角に等しい。

50 年後に姿を現す、氷山の全体像を如何にしてリアルな映像としてイメージするかが問われるだろう。

<前のページ | 次のページ>

 1  |  2  |  3  |  4  |  5  |  6  |  7  |  8  |  9  |  10  |  11  |  12  |  13  |  14  |  15  |  16  |  17  |  18  |  19  |  20  |  21  |  22  |  23  |  24  |  25  |  26  |  27  |  28  |  29  |  30  |  31  |  32  |  33  |  34  |  35  |  36  |  37  |  38  |  39  |  40  |  41  |  42